【一般・特定】建設業許可の専任技術者要件を徹底解説!「実務経験」と「専任性」をクリアする証明戦略

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【重要】「営業所技術者」への名称変更と実務上の影響

近年、法律改正により「専任技術者」という呼称は「営業所技術者等」へと変更されました。しかし、実務上、行政の審査基準や申請書式の内容はほとんど変わっていません。

重要なのは、名称が変わっても「営業所ごとに一定の資格・経験を有した常勤の者を選任で配置する」という要件はそのまま維持されているという点です。本記事では、分かりやすさを重視し、慣例的な「専任技術者」の名称を引き続き用います。


1. 建設業許可の関門!専任技術者要件の基本を知る

「建設業許可を取りたいが、専任技術者要件がクリアできるか不安…」

もし貴社が今、このように悩んでいるとしたら、それは当然です。この「専任技術者要件」は、建設業許可申請における大きな関門であり、許可の可否を分ける非常に重要なポイントだからです。

当事務所は、この要件がクリアか否かを判断していますが、多くの中小企業経営者様が最初に直面する悩みがここに集約されています。

1.1 「専任技術者」とは?なぜ貴社に「常勤」が必要なのか

専任技術者とは、文字通り、その営業所に常勤して、請負契約が適切に締結されるよう技術的なサポートを行う専門家です。

建設業法では、契約内容や技術的な適正を確保するため、「営業所ごと」「業種ごと」に一定の資格や実務経験を持つ技術者を置くことを義務付けています。

この技術者がいなければ、どれだけ優秀な企業であっても、許可は絶対に下りません。この「専任」「経験」という状態を証明することが、許可取得後のコンプライアンス維持においても重要となります。

1.2 多くの事業者がつまずく3つの「壁」(資格、実務経験、専任性)

専任技術者の要件には、大きく分けて以下の3つの壁が存在します。

  1. 資格の壁: 許可を受けたい業種に対応する国家資格があるか。
  2. 実務経験の壁: 資格がない場合などに、指定された年数(3年、5年、10年)の適切な実務経験を証明できるか。
  3. 専任性の壁: その技術者が「常勤」であり、他の業務(他社の役員や、遠隔地の現場の主任技術者など)に専念していないか。

特に(2)の実務経験の証明と、(3)の専任性の証明が、最も時間と労力を要する部分となります。

2. 専任技術者要件の解決策:一般と特定の違いを理解する

専任技術者に求められる能力は、「一般建設業許可」と「特定建設業許可」で大きく異なります。貴社が目指す許可に合わせて、適切な要件を確認しましょう。

2.1 一般建設業許可の専任技術者要件(3つのルート)

元請けとして請け負った工事について、5,000万円未満(税込)の下請契約しか締結しない場合に適用されるのが一般建設業許可です。以下のいずれかを満たせば要件クリアです。

(1) 資格ルート:1・2級資格などでOK

許可を受けたい業種に応じて、所定の国家資格(例:1級施工管理技士、2級建築士など)を保有していること。最もシンプルで確実なルートです。

(2) 学歴+実務経験ルート:指定学科と必要年数

所定の学科(土木工学、建築学など)を卒業し、かつ、一定の実務経験を有していること。

最終学歴指定学科卒業後の実務経験年数
大学・高等専門学校3年以上
高校・中等教育学校5年以上

(3) 10年以上の実務経験ルート

学歴や資格がない場合でも、申請する業種について10年以上の実務経験を有していること。このルートは多くの事業者が活用しますが、証明の難易度が非常に高くなります。

2.2 特定建設業許可の専任技術者要件(より厳しい要件)

元請けとして請け負った工事について、5,000万円以上の下請契約を締結する場合に必要です。技術者に求められる能力は一般に比べて高く、以下のいずれかを満たす必要があります。

(1) 国土交通大臣が定める資格

1級施工管理技士、技術士など、大臣が定める高度な国家資格を保有していること。

(2) 指導監督的実務経験(元請けとして5,000万円以上の下請契約)

一般建設業の要件を満たした上で、さらに元請けとして、5,000万円以上の工事について2年以上の指導監督的な実務経験(工事全体を統括し、技術者を指導する立場)を有していること。

【指定建設業を除く(指定建設業:土木・建築・電気・管・鋼構造物・舗装・造園の7業種)】


3. 最も難しい「実務経験」と「常勤性」の証明方法(具体例)

許可申請で行政から最も細かくチェックされ、不許可の原因になりやすいのが、この「実務経験」と「常勤性(専任性)」の証明です。

3.1 実務経験10年を証明するための書類と行政のチェックポイント

特に「実務経験10年ルート」を利用する場合、証明書の信頼性をいかに確保するかが重要になります。

実務経験証明書作成のポイント

岐阜県の運用では、10年分すべての工事に関する資料の提出を求めているわけではありませんが、請負契約書、注文書、請求書などの客観的な書類を元に実務経験証明書を作成する必要があります。

行政が確認したいのは、技術者が申請する業種に該当する実務を、間が空いてもいいので合計10年間行っていたかという事実の信頼性です。

  • 推奨される書類(信頼性の確保)
    • 実務経験期間全体にわたる、代表的な工事の請負契約書注文書請求書などの写し。(各年1件程度の工事をピックアップして10年分記載するイメージです。)
  • 証明者(元勤務先など)への協力依頼
    • 前の勤務先での実務経験を証明する場合、その会社の代表者などに「実務経験証明書」を作成してもらう必要があります。押印は不要となりましたが、証明内容の真実性を確認するための作業は引き続き重要です。
    • 会社が廃業しているケースなど、証明取得が難航するケースは多く、経験豊富な当事務所にご相談いただくことで、解決の糸口を掴める場合もあります。

行政のチェックポイント:提出された実務経験証明書が、申請業種として認められる内容か?(例:電気工事で10年証明したいのに、提出資料がエアコン工事ばかりではないか?)。10年間の実務の積み重ねと、その内容の適格性が重要視されます。

3.2 専任性を証明する「常勤性」とは?

専任技術者は、その営業所に「常勤」していることが大前提です。これは、単に在籍しているだけでなく、いつでも職務に従事できる状態を指します。

  • 社会保険による証明の鉄則:原則として、申請会社の健康保険証の写しや標準報酬決定通知書など、社会保険に加入していること(法人の場合)が最も強力な証明となります。
  • 住民票上の住所:営業所から通勤不可能なほど遠方に住んでいる場合、その営業所に専任しているとは認められません。

3.3 Q&A:専任技術者は現場の主任技術者になれるのか?

専任技術者の役割は「営業所での技術的な契約サポート」ですが、同一企業内の現場において「主任技術者」を兼ねることは、条件付きで可能です。

これは、営業所と現場が近接しており、常時連絡が取れる体制にあるなど、営業所での専任業務に支障がないと認められる場合に限られます。この判断は行政庁の指導基準に基づき、慎重な確認が必要です。


4. 許可取得後の落とし穴!専門家が教える遵守事項(専門性・行動喚起)

専任技術者要件は、許可取得時の一度の審査で終わりではありません。専門家の知識と経験は、取得後のコンプライアンス維持にこそ真価を発揮します。

4.1 専任技術者の「変更」は速やかな手続きが必要

専任技術者が退職したり、異動したりした場合、その営業所は一時的に許可要件を欠いた状態になります。この状態を放置すると、許可の取り消しという重大な行政処分を受ける可能性があります。

事実の発生から2週間以内に提出することが義務付けられています。後任者の確保ができていない場合、その業種は「廃業」となります。

4.2 専門家へ相談するメリット:貴社の技術者要件を最短でクリアする戦略

「うちの技術者はA資格とB経験があるけど、C業種の専任技術者になれるか?」といった複雑な判断は、多くの申請実績を持つ専門家にご相談いただくことで、スムーズに進められます。

当事務所にご相談いただく最大のメリットは、

  1. 最短ルートの提示: 貴社が持つ資格、実務経験、学歴を分析し、最も早く要件をクリアできる業種・ルートを特定します。
  2. 証明資料の収集サポート: 難しい過去の契約書や、退職した会社からの証明取得を、専門家の知見と経験から効果的にサポートします。
  3. 不許可リスクの排除: 事前に行政庁の審査基準に照らし合わせ、不許可になる要因を徹底的に排除します。ただしどうしても証明が難しい場合はその旨をはっきりお伝えして、申請自体をしません。

4.3 無料相談でリスクをチェック!貴社の専任技術者要件は本当に大丈夫ですか?

建設業許可は、企業の信頼と成長に不可欠です。

しかし、この専任技術者要件の判断を誤ると、「半年間の実務経験が足りなかった」「常勤性が認められなかった」といった理由で、申請が不許可になり、事業計画が大きく狂ってしまいます。

貴社の技術者が、一般・特定いずれの要件を満たしているか、実務経験の証明資料に抜けがないか、専任性は確保されているか、まずは無料相談でリスクをチェックしてみませんか?

専任技術者のことで不安を感じたら、すぐに専門家にご相談ください。貴社の許可取得を全力でサポートいたします。

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