土木一式工事とは:内容や注意点を解説!専任技術者の資格は何がある?特定許可は必要?【建設業許可解説#3】

  1. HOME
  2. コラム
  3. 土木一式工事とは:内容や注意点を解説!専任技術者の資格は何がある?特定許可は必要?【建設業許可解説#3】

今回は土木一式工事(土木工事業)について解説していきます。


■土木一式工事(土木工事業)の内容

総合的な企画・指導・調整のもとに土木工作物を建設する工事(補修・改造・解体含む)。


■建設工事の例示

基本的に、大規模・複雑な工事のため単独の専門工事では施工することができない、道路工事、ダム工事、トンネル工事、橋梁工事、護岸工事等が該当します。

注意点:土木一式工事の許可を取得さえすれば、他の土木系の専門工事(とび・土工・コンクリート、舗装、しゅんせつ、鋼構造物等)も請け負うことができるのか相談を受けますが、これはできません。各専門工事の許可を取得しないと500万円以上の工事は請け負えませんのでご注意ください。


■建設工事の区分の考え方

●「プレストレストコンクリート工事」のうち橋梁等の土木工作物を総合的に建設するプレストレストコンクリート構造物工事は『土木一式工事』に該当

●上下水道に関する施設の建設工事における『土木一式工事』、『管工事』及び『水道施設工事』間の区分の考え方

・公道下等の下水道の配管工事及び下水処理場自体の敷地造成工事が『土木一式工事』

・家屋その他の施設の敷地内の配管工事及び上水道等の配水小管を設置する工事が『管工事』

・上水道等の取水、浄水、配水等の施設及び下水処理場内の処理設備を築造、設置する工事が『水道施設工事』(なお、農業用水道、かんがい用配水施設等の建設工事は『水道施設工事』ではなく『土木一式工事』に該当)


■土木一式工事の専任技術者の資格要件

●1級建設機械施工技士

●2級建設機械施工技士(第1種~第6種)

●1級土木施工管理技士

●2級土木施工管理技士(土木)

●技術士

・建設・総合技術監理(建設)

・建設「鋼構造及びコンクリート」・総合技術監理(建設「鋼構造及びコンクリート」)

・農業「農業土木」・総合技術監理(農業「農業土木」)

・水産「水産土木」・総合技術監理(水産「水産土木」)

・森林「森林土木」・総合技術監理(森林「森林土木」)

●大学指定学科卒業+実務経験3年 または 高校指定学科卒業+実務経験5年 等

・土木工学

・都市工学に関する学科

・衛生工学に関する学科

・交通工学に関する学科

●10年以上の実務経験


さて、土木一式工事は前述したとおり大規模な工事ですので、必然的に動くお金も大きくなっていきます。
そこで、発注者から直接請け負う1件の建設工事(元請工事)について、下請業者に総額4,500万円(税込)以上の工事を発注する場合は「特定建設業許可」が必要になります。

ポイントは請負金額の総額ではなく、下請けに出す金額の総額が4,500万円以上というところです。

また、「土木工事業」は「指定建設業」と呼ばれるカテゴリに分類されますので、
特定建設業の許可を受ける場合は、専任技術者は1級の国家資格者と技術士等に限られます。
(特定建設業:土木工事業、建築工事業、電気工事業、管工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業、造園工事業)