一式工事って何?下請工事でも取得できるの?これから取得する方は注意!【建設業許可解説#2】
建設業法では建設工事の種類は29種類に分けられています。
大きく分けて「一式工事」2業種、「専門工事」27業種となっていますが、
よくお客様から「一式工事」が取りたいんだけど…といった相談を受けます。
そもそも「一式工事」とは何でしょうか?
「一式工事」の種類は2つ、「土木一式工事」「建築一式工事」で、「総合的な企画・指導・調整のもとに土木工作物や建築物を建設する工事」のことをいいます。
建設工事の中には大規模な工事や工程が複雑な工事があります。こういった工事は複数の建設業者が協力して施工を進めていくことが不可欠ですし、多くの下請業者に専門工事の施工を依頼して、1つの工作物を造っていくことになります。
そこで総合的な計画を立てたり、各々の専門工事を担当する下請業者が効率よく作業を行えるように調整をしたりと、工事全体を総合的にマネジメントするのが一式工事の役割となります。
通常、一式工事を請け負うのは元請業者(発注者・施主から直接工事を請け負う業者)です。下請として一式工事を行うのは、実態としても法的にも考えづらいのです。なぜでしょうか?
建設業法第22条には、「一括下請負の禁止」という条項があります。
元請業者が発注者から請け負った建設工事の全部または重要な部分を、一括して下請業者に請け負わせることが禁止されています。
簡単にいうと、工事の「丸投げ」は禁止されているということです。
一括下請負が禁止されているのに、下請業者が「一式工事」を行うのは普通はおかしいですよね。
ですので、下請業者が一式工事を施工するという事例は極めて少ないと思われますし、土木一式工事や建築一式工事で工事実績が下請けの場合は許可取得は難しいと言わざるをえません。
ちなみに一括下請負は、公共工事や一定の民間工事(多数の者が利用する一定の重要な施設等の工事)においては全面禁止、その他の民間工事においては原則禁止で、発注者による事前承諾がある場合のみ可能とされています。
一括下請負の禁止も非常に重要なテーマですが、許可申請にはあまり関わりないので、今後いつか解説できたらと思います。
さて、次回は土木一式工事について詳しく見ていきましょう!