建設業許可申請の虎の巻?!「建設業許可事務ガイドライン」
1. 許可申請における壁:手引きだけだとつまづく?
建設業許可申請を行なっていると、申請手引きに記載されている情報だけでは不十分なケースがしばしば発生します。
例えば、経営業務の管理責任者の経験年数を証明する際に、会社の登記簿謄本や個人の確定申告書だけでは証明しきれない場合、許可の担当者から追加の資料を求められることがあります。
また、こちら側から「こういった書類はどうですか?」といった相談をして提出する場合もあります。
2. 知られざる第2の手引き:「建設業許可事務ガイドライン」
そういった追加資料の根拠となるものの一つに「建設業許可事務ガイドライン」があります。
建設業許可を取り仕切る総本山の国土交通省が、法令とは別に作成したガイドラインで、「建設業の許可を担当する公務員はこういう風に考えたり処理してくださいね」という文書です。
各都道府県の許可担当職員は必読の文書であり、これに対する行政書士も同じなわけです。
(言い方は悪いですが手の内を見せてもらっているという感覚です)
一般の方は、まず存在を知らないこの文書。一体どのような形で活用するのでしょうか?
実際の事例をご紹介しながらご説明いたします。
3. 実際の事例:合格証明書の代わりに資格者証で対応
ある県にて、一級建築施工管理技士の資格をお持ちの方を、専任技術者に置く申請がありました。
通常、資格をお持ちの方の確認資料には、合格証明書等の資格証明書が必要ですが、本人曰く「合格証明書を紛失してしまった」とのこと。
紛失してしまった場合、発行機関に再発行をお願いする手続きができるのですが、早く許可を取りたいとのことであまり時間もありませんでした。
手引きには合格証明書以外の資料は記載がないし、どうしたもんかな…と建設業許可事務ガイドラインをめくっていると、次のような記載がありました。
(中略)規則第3条第2項第4号又は規則第13条第2項第4号(監理技術者資格者証の写し)により、
法第7条第2号又は法第15条第2号の基準を満たすこと(注:専任技術者のことです)を証明する場合
には、学校の卒業証明書、(9)の実務経験証明書及び(10)の指導監督的実務経験証明書並びに①の
技術検定の合格証明書等の提出は要しない。(以下略)
つまり「監理技術者資格者証」があれば専任技術者の証明として「合格証明書」は不要、ということです。
幸い「監理技術者資格者証」はお持ちでしたので、コピーして確認資料として提出しました。
ただ当時の担当者がガイドラインを読んでいなかったようで、後日電話があり「合格証明書」の提出を求められました。
お客様の事情を説明し、最終的にガイドラインに書いてありますよと説明したところ納得され、無事許可が下り一安心しました。
この一件があり私は困ったことがあれば、まずはガイドラインを読み込むようになり、その後も随分助けられました。
4. 行政書士の役割
建設業許可申請は、必要な書類を揃えるだけでも大変なのに、いざ申請してみると「この書類は必要?」「この証明はどうすればいい?」といった疑問が次々に湧いてくるものです。
さらに手引きに記載されていない情報や、担当者からの追加要求に戸惑い、申請が遅れてしまう、最悪許可申請を断念してしまうケースも少なくありません。
行政書士はあらゆる知識・経験を総動員して、このようなことが起こらないよいうに許可申請を行なっております。(もちろん、そもそも許可要件に満たない場合は正直にお伝えします)
もし建設業許可に関してお困りの際は、まずは一度お問い合わせください。
もしかしたら何か突破口が見つかるかもしれません。